火山の状況に関する解説情報
令和7年 4月25日16時00分 仙台管区気象台発表
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
4月18日から25日15時までの岩手山の火山活動状況についてお知らせします。西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では大きな噴石に警戒してください。
[継続]レベル2(火口周辺規制)
岩手山
岩手山周辺の傾斜計やひずみ計、GNSS連続観測では、2024年2月頃から山体の深いところの膨張を示す地殻変動が観測されています。黒倉山山頂の南南西約5kmに設置されているひずみ計では、2025年4月9日頃から一時的な伸びの変化がみられましたが、15日頃から縮みの変化に転じ、22日頃からは9日以前の変化傾向に概ね戻っています。黒倉山付近で発生している微小な火山性地震は、引き続きやや多い状態で推移しました。
黒倉山山頂の監視カメラによる観測では、大地獄谷の噴気の高さは23日に一時的に80mを観測しましたが、それ以外の期間は概ね30m以下で経過しました。また、大地獄谷の地熱域は積雪前と比べてわずかに拡大した状態が継続しています。
引き続き、西岩手山(大地獄谷・黒倉山から姥倉山)の想定火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
また、噴火時には火口の風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、5月2日(金)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。