霧について!
・霧の発生について
海上に霧が発生すると、視界が遮られるため船舶の航行に危険が生じます。
霧とはどのような状態を言うのでしょうか。
霧とは、大気中に多数のごく小さい水滴が浮かんでいる状態のことを言います。海上で発生する霧は、暖かく湿った空気が、温度の低い海面上に流れ込み、その空気が冷やされることにより、空気中に含みきれなくなった水蒸気が凝結して微水滴となり、目に見えるようになった状態ですが、分かりやすく例えると雲が海面上にくっついているようなものです。
海霧は、気温が水温より高くなる、3月から7月の時期に発生しやすくなります。
「霧」と同じ状態を示す「もや」という用語もありますが、視程が1km以上10km未満の場合を「もや」と呼び、視程が1km未満となった場合を「霧」と呼びます。さらに、霧が濃くなり視程が陸上で100m以下、海上で500m以下となった場合は「濃霧」と言います。
・霧の種類について
移流霧:暖かく湿った空気が、冷たい地面や海面を移動するとき、下層から冷やされ霧が出来ます。この霧は、濃霧になりやすく、かつ、霧の継続時間も長いため、移流霧が発生した海域では、船舶にとって大きな障害となります。
放射霧:高気圧に覆われ、晴れて風の弱い夜には、地面の熱がどんどん大気中に逃げていくため、地表面付近の温度が下がります。これを放射冷却といい、このため地面付近の空気が冷やされ、空気中の水蒸気が水滴となり、霧が発生します。これが放射霧です。この霧は、日の出とともに地表付近の空気が暖められると消えていきますので、日出後1〜3時間くらいで晴れます。
蒸発霧、蒸気霧:暖かい水面上に冷たい空気が流れ込んでくると、水面から蒸発した水蒸気が冷やされて湯気のような霧が発生します。これが蒸発霧(蒸気霧ともいう)です。
風呂の湯気や、朝早く湖や川面にかかる霧や、冬の日本海で対馬海流の上を冷たい季節風が吹くときにできる霧もそれらと同じ原理で出来ます。
他にも、前線霧、滑昇霧、混合霧、逆転霧などがあります。